塗料について説明します。

 塗装工事を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、創業以来20年以上この道ひとすじのぺんき屋工房が、はじめての方でもわかりやすく、楽しく塗料の説明をいたしましょう♪

塗料の種類:『下塗り塗料』と『仕上げ塗料』

塗料には、大きく分けて2種類の塗料があります。『下塗用塗料』と『仕上げ塗り用塗料』です。
それぞれについて、説明をいたしましょう。

1.「下塗り塗料」は壁材に合わせて、分類されます。

 下塗り用の塗料とは、読んで字のごとく「下塗り」のための塗料です。「3度塗り」という工程の中で1番最初に活用する塗料です。
 ところが、一概に「下塗り」と言っても、いろいろな壁材がありますので、それぞれに合わせた「下塗り用塗料」があるのです。そして、その上、痛み具合に合わせても若干、使い分けたりします。

・サイディング壁

こちらが窯業系サイディング壁です。通常は「浸透シーラー」を下塗りに使用します。

サイディング壁。よく見かけますよね?

・モルタル壁

こちらはモルタル壁です。通常は、「浸透造膜プライマー」を下塗りに使用します。

モルタル壁。築40年程度のお家に多いですね。

このように傷んだ壁には?

・コンクリート打ち放し壁

こちらはコンクリート打ち放しの壁です。

今も昔もひそかに人気の壁です。

・木の壁

こちらは木の壁です。都市部ではおしゃれなお家に。また地方都市ではお屋敷風のお家で使われています。

・トタン・ガルバニウムの壁

こちらはトタンの壁です。築50〜60年前後のお家や、最近のお家でも時々見かけますね。

ガルバニウム。オシャレなお家で時々見かけますね。

2.「仕上げ塗料」は「耐候性」と「機能ごと」に分類されます。

 「仕上げ塗料」は「耐候性」(どれくらいの長持ちを期待するか?)と「機能」(断熱・光沢・等)で分類されいますので、順番に見ていきましょう。

無機ハイブリッド塗料

 一番長持ちすると言われている塗料は「無機ハイブリッド塗料」というものです。無機とは石のような無機物を指していますが、ゴムと石を比べてたら、石のほうが硬いのはおわかりいただけますよね。そのようなイメージから、現在では「無機ハイブリッド塗料」が一番長持ちすると言われています。各塗料メーカー耐候性として20年前後を提示しており、施工店の保証制度でも15年前後が提示されています。

 ただし、この無機ハイブリッド塗料で施工する方々は、現時点では全体の10%前後。費用面がお高いこと等が挙げられますし、たとえ20年間長持ちしても、デザインは変えたくなるからだと思います。

各社塗料メーカーの無機ハイブリッド塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントNo.1
エスケー化研セラミタイトペイント
日本ペイントダイヤモンドコート
関西ペイントムキフッソ
アステック無機ハイブリッドコートJY
菊水化学工業無機ガードZ
水谷ペイント
ロックペイントパーフェクトセラミックトップF
大日本塗料

フッソ系塗料

 次はフッソ系塗料です。「フッソ系塗料」は、昔のアクリル系塗料の3〜4倍程度の耐候性があり、塗料の中で一番長持ちすると言われていました。要するには、フッソ系の化学結合(蛍石)のほうがアクリル結合や、シリコン樹脂のシロキサン結合よりも強いため壊れにくい、だから塗膜が長持ちするという方程式になります。

 お選びいただくお客様は、市場全体(日本建築塗装職人の会調べ2024年9月現在)でも10〜15%前後となっております。

各社塗料メーカーのフッソ系塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントNo.1
エスケー化研セラタイトF
日本ペイントデュフロン4Fルーフ
関西ペイントアレスセラフッソ
アステックマックスシールド1500F-JY
菊水化学工業ビュートップフッソ
水谷ペイントパワーフロン#2200
ロックペイントサンフロン
大日本塗料ビューフッソ

シリコン塗料

 いわずと知れた人気塗料がシリコン塗料です。塗装業界でも全体の70%程度はいまだにシリコン塗料が現状であり、ぺんき屋工房でも、今もシリコン塗料をお選びいただくお客様が多いのが現状です。

 特にシリコン塗料の人気は、シリコン系樹脂という安定的な性質の樹脂が特徴であること、適度な耐候性やつや光沢感が高級感があるということ。予算もお手頃であることなどから根強い人気です。

 また、最近のデザイン塗装の流れでも、次の塗替えを期待する反面コストを抑える意味でもシリコン系塗料をお選びになるお客様が増えています。

各社塗料メーカーのシリコン塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントNo.1
エスケー化研クリーンマイルドシリコン
日本ペイントファインシリコンフレッシュ
関西ペイントセラMシリコン
アステックマックスシールド1500Si-JY
菊水化学工業ビュートップシリコン
水谷ペイントパワーシリコンマイルドⅡ
ロックペイントユメロック
大日本塗料Vシリコンマイルド
塗料選びワンポイント!

 また、壁はシリコン、屋根にはフッソとオススメする塗装業者も時々ありますが、ぺんき屋工房では、20年間の経験則上、 フッソなら屋根・壁フッソ。シリコンなら屋根・壁シリコンという 『屋根・壁セット』で施工することをおすすめしています。なぜならば、おおよそ同じ時期に、次の塗替え時期を迎えるほうがコスト面でもお得と思っているからです。

断熱塗料

 そして、断熱塗料です。「断熱塗料」「遮熱塗料」等といろいろ言葉が出てきますが、ぺんき屋工房では、一般のお客様に対しては『断熱塗料』で統一しています。言葉尻よりも「わかりやすさ」が大事ですもんね。

 「断熱塗料」で有名なのは、断熱塗料の草分け的な存在だった『ガイナ(GAINA)』ですが、発売されてから15年以上経過した今は、ガイナを超える塗料も次々に出てくるようになりました。そして、一昔前までは怪しい眉唾塗料だった「断熱塗料」が、今は一般塗料の仲間入りを果たしています。(2024年9月現在)

 効果としては、屋根・壁に塗装することで、夏には5-7度前後温度が下がり、冬も魔法瓶のような効果でお家の中が暖まると言われていますが、まさにその通りになります。

 費用面はフッソ系塗料クラス以上になるため、高級塗料クラスに属しますが、体感できる塗料ですので良い塗料で施工してもらった感は満載です。

 また、断熱塗料の効果は色彩でも変わります。つまり、淡い色合いのほうが太陽の日差しを反射する断熱効果が発揮されますので、断熱塗料用のデザイン塗装も重要な点になりますね。

各社塗料メーカーの断熱塗料製品(外壁用)

塗料メーカー名塗料製品名
プレミアムペイントMagic(マジック)
日進産業ガイナ
エスケー化研クールタイト
日本ペイントファインサーモアイウォール4F
関西ペイントドリームコート
アステックスーパーシャネツサーモ
菊水化学工業キクスイガイナ
大日本塗料エコクール

 以上が塗料のご説明となります。ただし、ぺんき屋工房では、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)

 ただ、言えることは、「塗料」は料理で言うと「食材・材料」のようなものです。いくら良い「食材」を扱ったとしても、腕が悪いコックさんでは美味しい料理はできませんよね

 ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは、創業以来20年以上の私たちぺんき屋工房に安心してお任せくださいね。

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