ひとことで『屋根材』と言っても実は様々な種類の屋根があります。それは、長年の歴史の中で日本人が開発してきた物語でもあります。
違う角度から『屋根材』を表現すると、
①コスト面
②お家の長期耐久性面(屋根が重たいと家が長持ちしませんもんね)
③耐候性面(日本各地の自然環境の中で劣化から守るため)
④意匠性面(見た目のオシャレ)、によって様々な屋根があるというのが現状です。
そのような前提で、屋根材を分類すると、以下の4つのタイプになります。
それぞれに特徴がありますので、順にご説明いたしましょう。
1.瓦(和瓦・洋瓦)
瓦屋根は、粘土を使った焼き物なので、見た目もよく、耐久性もかなりよく、断熱、遮音性に優れ、メンテナンスにあまり手がかかりません。ただし、重たいため、最近の一般住宅ではあまり使われなくなり、今瓦の屋根を乗せているお宅は立派なお宅という印象が与えられます。もちろん、塗装工事の必要性もありません。
2.セメント瓦
次には、セメント瓦です。セメント瓦は、セメントと砂を原料にしたものであり、厚型スレートとコンクリート瓦の2種類があります。上の瓦と比べると耐候性は落ちますが、それでも長持ちをする屋根であり、塗装工事をすることで、さらに長持ちさせることも可能です。コスト面を抑えながら、瓦のように魅せる「瓦」として誕生しました。
3.スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)
そして、スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)です。名称がいろいろありますが、コロニアル・カラーベストは商品名であり、正式には「化粧スレート」とと言います。
話は戻りますが、スレート瓦の最大の特徴は、
◎軽い
◎デザインが豊富
◎比較的安価
ということになります。そのため、またたく間に普及し、今の多くのお家の屋根が、このスレート瓦を乗せています。
ただし、弱点があります。それは、
×割れやすい
×雨漏れも多い(比較的)
×塗装メンテナンスが必要
×寿命は20年~25年(と、言われています)
ということになります。ただし、現在のマーケットでは、この軽いスレート瓦を活用することによって、多彩な住宅デザインが可能であることから、重宝されている建材でもあるのです。
ぺんき屋工房でも、屋根塗装で多いのはやはりこの「スレート瓦」タイプですし、スレート瓦の塗装工事では、建てた時のイメージとガラリと変えてしまうことも可能でもあります♪
また、今は昔と違って、代々がそのお家にずっと住み続けるという文化ではなく、移動したり、建て直したりすることも多くなっているため、コストパフォーマンスが良い「スレート瓦」が選ばれているのかもしれませんね。
4.トタン屋根
そしてトタン屋根。昔のお祖父ちゃん・お祖母ちゃんの家に多かった屋根ですね。雨盛りしにくくコストも安価に抑えられていたため普及していましたが、反面、鉄は錆びやすく、夏は熱を吸収してさらに熱く(鉄板焼きの中に居るような室内、汗。。。)なってしまうため、今ではこのトタン屋根のお家は減少の一途を辿っています。現存しているトタン屋根のお家は貴重価値が高い家とも言えます。
※ちなみにトタン屋根は「鉄」と「亜鉛」の合金です。
5.ガルバリウム鋼板屋根
ガルバリウム鋼板は、1972年に「従来の鉄よりも長く腐食しない鉄を!」ということで、アメリカで誕生しました。「鉄」と「亜鉛」と「アルミニウム」と「シリコン」の合金で出来ています。トタンの3~6倍長持ちすると言われています。 また、トタン屋根のように雨音もうるさくありません。
ただし耐候性については、「長く腐食しない」ということであり、「絶対に腐食しない」ということではありません。通常地域であれば30年前後の耐候性と言われていますが、塩害地域、豪雪地域では15~20年前後とも言われていますので、メンテナンスとしての塗装工事は15~20年に一度はやったほうが良いと言われています。
そのほか、断熱性は低く夏には暑くなるのもトタン屋根と同じですが、塗替えの際には「断熱塗料」等を活用することである程度カバーできることでしょう。
6.ステンレス屋根
ステンレス屋根は錆びに強いため、耐久性は50年とも言われています。海岸近くの住宅では比較的、求められます。しかし、ガルバリウム鋼板と比較しても費用が高いため一般地域の住宅ではあまり普及していません。
また、錆びに強いため、色褪せ(出荷時には工場で塗装されていますが、10年程度で色褪せはしてきます)が気にならない方であれば、塗装メンテナンスは不要です。
ぺんき屋工房のエリアではあまり見ない屋根ですが、一応、予備知識としてこちらに記載しておきますね。
7.アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、北米で100年以上の歴史があり、欧米では7-8割の普及率のある一般的な屋根です。不燃布やガラス繊維のグラスファイバーにアスファルトを塗布し、表面には細かな石粒を施し、アクリル樹脂で固めた屋根材です。
軽量であり、耐久性に優れており、柔らかいカタチから形状の複雑なお洒落な屋根にも活用されたりすることがあります。
しかし、表面がザラザラしているため、水が滞留してコケが生えやすいのが難点です。表面の石粒が紫外線で劣化しない鉱物のものであれば30年以上メンテナンスフリーというものもありますが、通常のものであれば、10年に一度の塗装メンテナンスが必要です。
8.陸屋根
陸屋根とは屋上部分が平になっている屋根のことを言います。文字の通り「陸」みたいだからですね。ビルやマンション、学校などをイメージされるかもしれませんが、沖縄の住宅の多くは陸屋根ですし、最近、関東地域でもデザイン住宅などでは陸屋根の住宅も増えてきています。
陸屋根は、屋上部分を有効活用できますので、太陽光パネルを設置したり、庭園にしたりすることが可能です。また、勾配もあるのですが、一般の屋根ほど急ではなく人が歩ける程度の勾配になっています。
この陸屋根においては、私たちのような塗装・防水業者が活躍をさせていただき、雨漏れを防いでいます。真夏の太陽も真正面に受け止めているのが陸屋根でもありますので、メンテナンス周期はおおよそ10年に一度(それ以上になると痛みが激しくなり、雨漏れの恐れも出てくる)というのが、一般論です。
ちなみに工事種目ごとの予算目安は、以下のとおりです。
工事の種類 | 耐候年数 | 費用(㎡) | 箇所 |
ウレタン防水 | 00年 | 0,000~0,000円 | すべて |
シート防水(ゴム) | 00年 | 0,000~0,000円 | 陸屋根 |
シート防水(塩ビ) | 00年 | 0,000~0,000円 | 陸屋根 |
FRP | 00年 | 0,000~0,000円 | ベランダ |
アスファルト防水 | 00年 | 0,000~0,000円 | 陸屋根 |
屋根の葺き替えをしなくて良い変わりに、防水工事は必要ということですね。
9.折板屋根
折板(せっぱん)屋根は、主に、断面の構造に重点を置いて開発された屋根で、工場・学校の体育館・カーポート・車庫などの鉄骨の建物に多く使われて、金属屋根の代表的な屋根工法となっています。
また野地板等張らずとも設置できるので工期も短縮でき、また 強風や雨にも強いため、現在でも金属屋根の代表的な工法として捉えられています。また、よく「折半」と間違える方がいますが、正確には「折板」と書きます。
屋根材の多くは「ガルバリウム鋼板」であることから、メンテナンスも15年を目処に行っていくものでしょうが、実際に生活をしているわけでは無いため、メンテナンス期間は15年以上になることが多く、また、塗料においてもコストパフォーマンスの高い、かつ、耐候性のあるシリコン系塗料でメンテナンスをすることが多いものです。
以上が、いろいろな屋根材についてでした。私たちぺんき屋工房のように、長年塗装工事を行っていると、どうしても、次の塗替え時期になると「屋根はもうそろそろ交換したい…」という意見も出てきやすいので、屋根の交換なども行っております。
塗装工事でメンテナンスできるのか、屋根の葺き替えをしたほうが良いのかも、無料診断をさせていただきますので、以下よりお尋ねください。
本質的に「スレート」というのは、「粘板岩を薄い板状に加工した建築材」を指していますが、 粘板岩という自然岩を活用するため高価になってしまうため、セメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工して開発されたのが現在のスレート瓦、正式名称は「化粧スレート」となりますよ。